エドワード・A・ブラウン

(チームリーダー、ソールズベリーRC会員、冷蔵・冷凍設備用パネル製造会社社長)

 約27時間、飛行機に乗り詰めた後、雨の夜の大阪空港でロータリアンとその伴侶から受けた歓迎は、心温まるものでした。大変な量の花束と、私たちの名前を記した旗があり、私たちが歓迎されているのだという素敵な感情がわき起こってきました。引き続いてその夜宿泊するホテル阪神に移動、GSE委員会のメンバーと会話を交わしました。

 オリエンテーションのセッションでは、私たちのために準備されたプラン全体についての説明を受けました。訪問のアウトラインを記した小冊子では、各週をそれぞれ一つのブロックが担当し、毎週異なった地域のロータリークラブが、その週の活動の責任を持つことが分かりました。ホストRCのある地域内のホスト家庭に宿泊するようアレンジがされていました。これは素晴らしい考えです。というのは、私たちは大阪の5つの異なったコミュニティで生活することができたからです。数日間の、ホテル阪神滞在中の訓練を終えて、最初のホスト家庭を訪問することになりましたが、私たちの安全な毛布、つまりホテル阪神を出て、実際の日本人家庭で暮らすという冒険に乗り出すについては、少々心配と疑いがありました。

 その間、丁重なレセプションがあり、酒食が興され、多くのロータリアンに紹介されました。アメリカ出発に際して、短いが集中的な日本語教育を受け、お互いに練習しあっていましたが、到着してみると、ホストたちの会話に圧倒されてしまいました。私たちが学んだフレーズのあるもの、例えば「私の鉛筆は黄色です」のような言葉を会話の中に取り入れることは困難でした。全てのロータリアンが、我々それぞれの経歴や家族のこと、あるいは多くのテーマについての我々の考えを聞きたがりました。

 私たちが出席したレセプションやパーティでは、美しい生け花が飾られ、あらゆる種類の食べ物の皿が食欲をそそりました。私たちのチームの中には、あまりにも多くの魚が、いろんな調理法で出てくるのに辟易したものもいました。スシ、サシミ、いろんな色の漬け物があったのに、甘いデザートはありませんでした。

 最初の10日間に、多くの典型的な日本の「お弁当」を昼食に食べました。私は、個人的には、出された食事は全て楽しみましたし、典型的な日本の食事をまず知ることが、日本訪問の重要な部分であると思っていました。しかし、吹田ロータリークラブが昼食にステーキを出して下さったのは、団員全員にとって楽しい驚きでした。

 私たちの日程は、多くの寺院や神社訪問とセットになった日本の古代の歴史勉強のバランスがとれていました。考古学者たちが最近、歴史的に重要な品を発見しつつある場所も訪問しました。大きな寺院の構造は興味深いものでした。その主構造材は、巨大な材木で造られていたからです。

 桜の花が満開の時期の日本訪問は、なんと美しいことでしょう。八尾でのホームステイが丁度、その時期でした。町の中を流れる川に沿って咲く桜ほど、印象的なものはありません。私たちは数晩のぶらぶら歩きを楽しみ、そのクライマックスは伝統的なお茶席でした。桜まつりは、ほんとうに思い出に残っています。

 私たちが訪問した産業の断面像は優れたものでした。製造設備のオーガナイズぶりは際だっていました。私は特に、ダイハツの新工場訪問を楽しみました。この工場へのバス旅行では、ロータリアンが同行し、同社の元幹部と話ができるなど、楽しいものでした。松下電器、シャープでは、生産ラインと同時に美しい花や植物の鉢を多く見かけました。毎日のようにロータリアンが付き添って下さったのは有り難く思いました。彼らはバス、電車、乗用車、歩行その他で同行してくれました。その結果、多くの方たちとお話しする機会に恵まれました。彼らは、彼ら自身の興味を惹く事柄を指摘し、私たちの旅行に華をそえてくれました。このような、毎日毎日の、個人対個人の接触こそ、GSEの主要ポイントであると感じます。

 日本海に面した関西電力の発電所訪問ほ、特に嬉しい出来事でした。このバス旅行で、美しい、日本の田舎を見る機会に恵まれました。新幹線での広島行きは、団員全員から感謝されました。

 私の職業研修日の訪問のハイライトは多く有りましたが、スーパーマーケット、家具製造工場、大阪市立大学の医学研究設備、新しい病院の建設現場の訪問が印象に残っています。ガスによるゴミ焼却場ではアパートから真空吸入でゴミを集めるシステムがあり、また公共住宅にこの焼却場から電力や熱を供給している点が興味を惹きました。

 毎日が、新しい訪問先、勉強すべき新しいアイデアに満ちていました。中でもその最良のパートは、新しいロータリアンに出会い、彼らが私たちのために時間を割いてくれたことでした。

 私たち全員の心を深く揺り動かした一つのイベントは、花博跡地でノースカロライナの州の花であるダグウッド(はなみずき)の植樹を一人一人行ったことです。毎日、今日が最高と思いましたが、次の日もそれに劣らず印象的でした。私たちの訪問を成功に導き、多くのロータリアンをコーディネートするための、事前準備が広範囲に行われていたのは、明らかでした。

 菅生地区ガバナー、細江GSE委員長とはお目にかかる機会が多くあり、私は彼らとの同席を楽しみました。第2660地区からノースカロライナへのGSE派遣団長松岡茂雄は、私の友、そしてアドバイザーとなりました。彼とは、本当によくコンタクトしましたので、彼との会話をいまでも壊かしく思います。ノースカロライナを訪問したGSEチームメンバー全員が、私たちの世話をしてくれ、またノースカロライナについての想いと、いまなお新しい記憶を私たちと共有していたので、温かい伴侶となりました。被らの存在は壊かしく、私たちの記憶から去ることはないでしょう。

 私たちの訪問をブロックに分けてアレンジする方式のお陰で、5つの家庭で1週間ずつを過ごすことができました。私たちそれぞれは、大阪府内の異なった地域における家族の1員となる機会を与えられました。ホスト家庭のホスピタリティと温かさは、日常の家庭生活についての洞察を私たちに与え、家族全員のことを楽しく思い出させてくれています。ホームステイのお陰で、密接な関係がとても早く結べたと感じます。ホスト家庭と生活の大変多くの部分を共にしたので、基本的には彼らも私たちも同じもの、つまり家族、仕事、将来、そして世界の出来事に関心のあることが分かりました。彼らも、私たちも、お互いに多くの質問をしあいました。正直で誠実な回答が得られたと感じています。彼らは、アメリカの大企業がどうしてそんなに多くの従業員をクビにできるのかとか、あるいはまた、アメリカの政治についても質問しました。1992年の大統領選挙で誰が当選するだろうかとも訊ねられました。

 私たちほみんな、心からの理解と友情の温かい絆を結びました。出発の時が近づくにつれ、5つの家庭でのホームステイや多くのロータリアンとの毎日の接触の体験は、何と特別な機会だったのかということが分かってきました。

 数々の送別パーティと最後のレセプションは、実にファンタスティックでした。しかし、本当のクライマックスは出発当日でした。ホストファミリーやロータリアンが、空港へお別れにきてくれました。大変温かく、エモーショナルな送別でした。私たちは、とても成功したGSEチーム訪問だったと感じています。私たちの訪問をこんなにも素晴らしいものにするため、ご助力くださったみなさまの、お一人お一人に、お礼を申し上げます。