デビッド・J・ワイアットの報告

参加動機

私は、いつも日本を訪問したいと思っていました。大阪、日本への国際ロータリーGSEプログラム参加募集を聞いたとき、直ちに応募の手続きを始めました。ロータリアンである私の学校の校長は、一ヶ月の長いプログラムで学校を留守にできることを保証してくれました。

高校のフランス語教師として、日本の学校システムを可能な限り学ぶことに興味がありました。私たちは、アメリカの学校にくらべ、特に理科と数学でいかに日本の学校がよいか、よく耳にしました。そこで、その違いを自分の目で見たいと思いました。日本の学校が日常のベースで、どうのように機能しているかにも興味がありました。言語学者としても、日本語を話し言葉と文章語の両面で、もっと学びたいと思いました。

日本の学校

私たちの滞在中、職業研修日にいくつかの教育施設を訪問することが出来ました。第一回目の職業研修は、二つの塾でした。塾は放課後に行く詰め込み勉強の学校です。日本中の学生が、放課後1〜3時間、塾で勉強します。教師は通常、大学の学生です。教師は二人の生徒の間に座り、時間を配分します。勉強のテーマは生徒で異なるのが普通です。例えば、教師が一人の生徒に英語を教え、同時に他の生徒には数学を教えるのも稀ではありません。約50%の生徒が塾に行っています。高校の最終年度では、この数字は90%近くになります。これらの生徒は大学の入学試験の準備を教師と一対一でしています。

大阪郊外の茨木高校にも行きました。茨木高校は生徒の成績が良いという評判の学校です。この学校で数人の生徒と話をしました。日本の学校年度は四月に始まります。そこで私たちは丁度、学校の始まる時期に話をしたわけです。茨木高校の生徒は、一日に5クラスを取り、それぞれのクラスは65分です。日本の教育省は三学期制から二学期制に切り替えたところで、土曜日は授業がなくなりました。これは殆どの人にプラスの改革と見なされています。まだ学校が始まったばかりなので、それが効果的かどうか、早すぎて判断出来ません。生徒たちは高校で英語を学ぶことを要求されています。多くの場合、それは高校で教える唯一の外国語です。私の見たところでは、英語会話よりは読み書きに重点が置かれているようでした。殆どの生徒は、課外活動に参加しています。バスケットボール、武術、サッカー、ダンス、ESS、そしてもちろん野球です。日本の生徒の多くは自転車に乗って学校に来ます。自転車置き場はいつも満員です。自転車を使わない生徒は徒歩で来ます。日本の郊外の高校とアメリカの郊外高校で何という違いでしょう!日本の生徒はすべて、制服を着ることが求められます。生徒たちは学校に来ると、ロッカーで靴を脱ぎ、学校のスリッパに履き替えます。塾や宿題があるので、日本の生徒には自由時間がほとんどありません。私はまた、大阪地域における高校卒業後の教育施設を訪問しました。関西大学、大阪大学、梅花女子大、そして外国人のための関西国際学友会日本語学校です。私は大学の施設、特に関西大学の施設に感銘を受けました。私は最先端のランゲージラボで英語の学習を体験しました。学生たちは英語の学習に熱心で、アメリカの大学に行くことを計画していました。その授業の終わりに、学生が、主としてアメリカの大学のシステムについて質問しました。関西大学は、外国語を学びたいと思う学生に他の多くの施設を提供しています。大学の図書館は広範です。外国語校舎では講師と学生両用のビデオテープがあり、高品質のビデオプログラムを創る設備も利用可能でした。

日本語

日本語は私にとってチャレンジでした。私が学んだ言語の殆どはインド=ヨーロッパ系で、構造と語彙に何かの類似性があります。日本語は、ヨーロッパ語とは関連がありません。ですから、ほんの基礎から始めなければなりませんでした。私にとって既知の規則や語根の助けを借りることはできません。しかし、日本語の文法を勉強すると、それは驚くほど易しいことが分かりました。日本語の動詞には、ほとんどのヨーロッパ語にある語形変化がありません。一つの形が三つの人称すべてに使えます。単数も複数も、です。未来時制はありません。現在と過去があるだけです。文章の終わりに動詞がきます。名詞には不変化詞がつき、文章の中での文法的な機能を示します。(主語、トピック、直接目的、前置詞の目的などです。)

問題は書き言葉で発生します。西洋人は、書き言葉を、話し言葉の発音の表現と見ます。日本語では、必ずしもそうでありません。発音を表すのに二つの仮名システムがあります。平仮名は日本起源の単語に用いられ、片仮名は外国語起源の単語に用いられます。それぞれ46字あります。書くための三番目のシステムは漢字です。これは中国語からアレンジされました。漢字は一つの単語やアイデアを表し、発音を反映しません。文字通り、何千もの漢字があり、誰もその全てを知りません。そこで、日本人にとっても時には漢字で書かれた単語を読むのが困難な時があります。単語の中には漢字仮名交じりのものもあり、三つのシステムを含むのも異常ではありません。外国人にとっては、漢字システムは、日本語のもっともくじける局面です。しかし、少し努力すれば、二三の基本的な漢字を学ぶことは直ちに可能です。私はこの交換の間中、一日一つの新しい漢字を学ぼうと努めました。

食べ物

私の好きな楽しみの一つは料理です。私は日本で出される食べ物の種類の豊富さに驚嘆しました。日本人は一日のうちに、できるだけ数多くの味を経験しようと試みます。昼食と夕食には、二三の品数で大量に食べるのではなく、多くの違うものを少しずつ食べます。昼食に、私たちはよく弁当を食べました。これは四つの仕切りのある箱で、仕切りのそれぞれに異なったタイプの料理が入っています。エビが一匹、マグロが一切れ、天ぷらが二三個、ギョーザかシューマイが一個、野菜、それにご飯と味噌汁が付きます。食べ物の盛りつけに注意が払われます。見た目は、味と同じくらい重要なのです。私のホスト家庭は、家では私が殆どすべての料理をつくると聞いてショックを受けました。料理は伝統的な男の役割でないようです。日本では一度、料理させてもらいました。日本ではいかに食材が高いか驚きました。

終わりに

私は、日本を訪問したいという一生の希望をかなえる機会を与えて頂いたことに対し、国際ロータリーとロータリー第6270地区に感謝します。これにより、学校、語学、食べ物、宗教、歴史、そしてもちろんショッピング(私は、チームの中で、いつも円で買い物をしている男として評判でした)に対する私の関心の追求が可能になりました。日本と日本人について、自分なりの結論を引き出すこともできました。日本人は、最初は遠慮がちですが、一旦知り合いになると、温かく、気前がよく、そして極めてフレンドリーなことが分かりました。私はまた、第2660地区のロータリアン、ホスト家庭、その他私の日本滞在を記憶に残るものにして頂いたみなさんに感謝します。私の高校で、自分の日本体験を話すことが、私の生徒が日本を訪れ、私が経験したと同様の素晴らしいことをいくつか体験するきっかけになることを希望します。