異国の日常生活体験、それがGSE

溝本佳三

(大阪ヒルトンホテルシニアベルマン、大阪天満橋RC推薦)

 私がこの研究交換プログラムのことを知ったのは、勤務している会社の上司からお話を伺ったのが最初でした。結局、私はこの上司から御推薦項き、応募致しました。応募する前は、私は国際ロータリーおよびロータリー財団に関して、ほとんど知識がありませんでした。ただ、人道的な奉仕活勤を行い、平和の確立に寄与している、とだけしか知らず、その具体的な活勤すら知りませんでした。

 選考は、外国人による口頭試験とGSE委員会の方々による面接が各々1回ずつ同日に行われました。その後、研究会、委員会があり、1泊研究会は、団員間の相互理解を深めるという意味でも、非常に有意義なものでした。個人的には、和英対照で書かれた日本文化紹介の本を読んだり、大阪に関する資料を集めたりしました。GSE委員会に出席の際項いたノースカロライナの文化、地理、気候、産業などについて書かれた資科は、参考になりました。また、ベルリッツの研修コース参加時に、ノースカロライナ出身の講師から伺った生の話も役立ちました。

 出発前に第769地区から項いた旅行日程表は、中身の濃いものでした。旅行日程以外に、アメリカから日本への郵便料金、電話科金なども記載されており、現地で非常に役立ちました。ノースカロライナでの種々の公的機関、施設、企業、工場、学校を訪問した際は、ロータリークラブのプログラムということで、個人旅行では決してできない経験をしました。そして、時には現地のロータリークラブの昼食会合にも出席させて項きました。ロータリアンが病院で医療器具の運搬をボランティアでやっておられるのを拝見し、感心しました。途中で日程の一部変更もありましたが、各団員の健康状態を考慮して頂いての配慮であり、ありがたく感じました。

 ホストファミリーとの生活では、アメリカ人の日常生活を経験することができました。ホストファミリー同志が連絡を取り合い、私の健康状態、気に入った食事などを次の家庭へ知らせるといった暖かい心遣いを受けました。ホストフアミリーをはじめ、ノースカロライナの人々は、親しみがあり、思いやりのある素晴らしい方々ばかりでした。部屋はもちろん、バスルームまで私専用で用意して項き、プライバシーを大切にしてくれました。また、客人扱いせず、家族の一員として接して項き、本当のアメリカ人の日常生活に触れることができました。ただ、ホストファミリーと過ごせる時間が短く、お互いを知り合う、そしてお互いの国の文化などを教え合う時間があまりなかったことが残念です。また、交通機関が発達しておらず、車がなければどこへも行くことのできないノースカロライナの地では、ホストファミリーの手を煩わさずには、行勤できませんでした。しかし、ホストファミリーが嫌な顔ひとつせず、どこへでも連れて行ってくれたことは、感謝すると同時に、恐縮の至りでした。

 私達は、湾岸情勢の厳しい中、その当事国であるアメリカを訪問しました。到着後、まもなく戦争は終結しましたが、世界が平和であることの重要性を痛感しました。肌の色、言語、文化、習慣、歴史は違えど、平和を愛し、家族を愛している同じ人間なんだと身を持って感じました。同様に、アメリカの方々にも同じ思いを感じて項けたのではないかと思います。

 このプログラムを通じ、最も貴重な経験は、アメリカの方々と知り合えたことです。特に、ホストファミリーの方には、「あなたは、私達の新しい家族の一員です。」と言って項きました。これからも、友好関係を続けていこうと思います。また、将来、研究グループ交換活動に参加される方々に、私の経験が少しでもお役に立てるなら、喜んで協力させて項きたいと考えています。