当地区は、ロータリー財団のGSEプログラムがスタートして間もない1968〜1969年度より昨年度までに、下記のように世界中の地区と交換を行なっている。
1968/1969年度 米国カリフォルニア州(第522地区)
1971/1972年度 西オーストラリア(第945地区)
1974/1975年度 カナダ西部(第536地区)
1976/1977年度 英国(打第122地区)
1977/1978年度 米国南部(第671地区)
1979/1980年度 米国東部(第787地区)
1980/1981年度 タスマニア(第983地区)
1984/1985年度 英国南部(第111地区)
1986/1987年度 西ドイツ(第183地区)
1988/1989年度 デンマーク(第144地区)
1990/1991年度 米国ノースカロライナ州グリーンズボロ周辺(第7690地区)
1993/1994年度 米国ネブラスカ・アイオワ州(第5650地区)
1994/1995年度 南スウェーデン(第2440地区)
1995/1996年度 ブラジルサンパウロ州(第4430地区)
1996/1997年度 ニュージーランド南島南部(第9980地区)
1997/1998年度 米国アーカンソー州北東部(第6150地区)
1998/1999年度 カナダオンタリオ州(第7080地区)
1999/2000年度 英国イングランド北東部(第1030地区)
2000/2001年度 オランダ中東部(第1560地区)
2001/2002年度 米国ウイスコンシン州(第6270地区)
2002/2003年度 英国イングランドマンチェスター周辺(第1050地区)
2004/2006年度 南スウェーデン(第2390地区)
2006/2007年度 トルコ(第2430地区)
2008-2009年度 は、フランス(第1770地区)と交換の予定。
〔注) 1990/1991年度 米国ノースカロライナ州グリーンズボロ周辺(第7690地区)との交換までは、交換の往復に2年間をあてていたが、1993/1994年度 米国ネブラスカ・アイオワ州(第5650地区)との交換からは、単年度で往復の交換を実施している。
期間:4〜5週間で実施(年度により、相手地区との打ち合わせで異なる)。滞在は、ロータリークラブ会員宅に、団員1人1週間の同一家庭でのホームステイを原則とし、団員と会員家庭が十分に親しくなるよう配慮している。団員の帰国後も交流が続くなど、この方式は、立派な成果 を上げている。過去11年間の8回の交換で170の家庭がホストファミリーを体験し、国際的な相互理解を推進している。
職業研修:当地区は、殆どどのような職業の団員が来訪しても、立派な職業研修のお世話が可能な職業分類のロータリアンが揃った地域である。GSEチームの来訪期間中、4〜5日の職業研修日を設け、可能な限り専門職業の熟語にも詳しい通 訳をつけて研修を行っている。また、案内者による訪問先の重複が無いようにGSE委員会がスケジュールの調整を行っている。
クラブ訪問:1週間に2〜3クラブを訪問、プレゼンテーションを行う。時間は各30分が標準(通 訳つき)。会員の理解を助けるため、コンピュータ画面、ビデオ、スライド、OHPなどの使用を奨励している。例会会場には可能な限り、相手地区の国旗を掲げ、開会に先立ち国歌の演奏を行っている。
一般研修:地区内の行政機関、集客施設、歴史的建造物、医療機関、技術先進企業、商業施設などの訪問に加え、地下鉄その他の大量 交通機関のそんざいについての理解を意図している。当地区の方針は、文化や考え方、風俗習慣の違いをありのまま、飾らずに紹介し、相互理解しあうことである。
地区外研修:京都、奈良の歴史的都市、世界遺産にも登録された原爆ドームを持つ広島(新幹線利用、日帰り)、世界最長明石海峡大橋の訪問がある。
休息:各週末は、都市ホテルに1泊滞在させ、GSEチームのリラックスと団員相互の打ち合わせを可能にし、好評である。
各年度とも女性団員を含む。(例外は1996〜1997年度ニュージーランド南島第9980地区訪問)
団員の職業はバラエティに富むが、訪問相手地区の特性を考慮して特別のチームを編成したことがある。その1は、1994〜1995年度の南スウェーデン訪問で「福祉」をテーマにした団員構成で、団長も公衆衛生専攻の大学教授。その2は1996〜1997年度ニュージーランド南島第9980地区訪問で、団長以外は全て地方公務員。テーマは「行政改革」であった。それぞれのチームとも優れたレポートを発表、ロータリー以外にも大きな社会的関心を呼び、講演にも招かれている。福祉については公開のシンポジウムも行政機関の幹部を招いて開催した。
団員の選定には、志望動機を重視している。民間親善大使とは言え、相手地区訪問で何を学びたいか、目的意識の明確にした作文を提出させ、選考に役立てている。語学能力はホームステイで日常会話に支障がないことを前提にしているが、さらに出発までにベルリッツの研修を受けさせ、一部の団員にはランゲージテープの聴取をさせている。基本的能力の高い団員は選考試験時の語学力にやや不足があっても出発までに自己研修で対応していて、いままで相手地区からのクレームはない。
交換相手地区は、いろいろなルートを通じて探す必要がある。地区内のVIPからの紹介の場合もあれば、手紙、ファクス、電子メール等で探索することもある。最近の例では、英国とオランダは国際ロータリーの名簿を見て当地区よりファクスした結果 であり、米国ウイスコンシンは先方地区より当地区ガバナーあての手紙を見て決定した。いずれにしても、交換実施の2〜3年前に決定し、実施前年度10月末のロータリー財団への申請に備えねばならない。
ロータリー財団から示されたスケジュールは4〜6週間の滞在である。専門職業人にとって6週間も仕事を離れることは困難であり、特に団長の選定に苦労するので原則4週間としているが、例外もある。2000〜2001年度オランダ第1560地区との交換は先方の要望を取り入れた結果 、5週間であり、派遣団員もDDFを利用して1名増加した。(団長1名、団員5名、計6名)DDFの利用については、ロータリー財団への申請が早期のため、特に配慮が必要である。
地区大会の時期が交換の日程を決定することがある。相手地区ガバナーがGSEチームの地区大会への出席と、その場におけるプレゼンテーションを要望する場合、出発が早期になることがある。1999〜2000年度の英国との交換がそれに相当し、先方の大会に出席するため秋に派遣した。(逆に、例えば1998〜1999年度の交換(カナダオンタリオ第7080地区)は、双方ともガバナー了解のもとに、地区大会への参加を見合わせた。カナダは秋に大会があり、時期が早すぎたし、当地区の大会はベストシーズンであるサクラの開花以前に4地区合同大会があり、あえて参加を外した。
派遣でもっとも神経を払うのは、団長、団員のプロフィル紹介と写真の送付である。特に研修希望内容は相手地区担当責任者(GSE委員会委員長あるいはコーディネーター、ロータリー財団委員会委員長など)へ明確に伝えねばならない。先方担当者が電子メールアドレスを持っている場合、大いに活用したい。写 真の送付も電子メールへデジタルスキャンした写真ファイルの添付で行える。(ファイルが無事オープンできたか、確認が必要)
なお、当地区では、帰国途中で2〜3泊の滞在を地区負担でボーナスとして認めており、カナダへの訪問チームは、帰途ニューヨークに立ち寄った。
ロータリー財団指定旅行代理店との綿密な打ち合わせも肝要である。日程の決定には、エアラインのスケジュールがの季節的な変動に注意しなければならない。
来訪する相手地区チーム員のプロフィル、研修希望事項、写真をできるだけ早期に入手し、地区内にPRする。団員と同じ職業分野のロータリアンは、特に強い関心を示し、積極的にホスト家庭を引き受けてくれるからである。また職業研修への積極的参加も期待できる。当地区では、各クラブの会長、幹事、ロータリー財団委員長に、団員を早期に紹介し、インターネットにもプロフィルを掲載している。
チーム到着とホームステイの間に、時差解消の緩衝期間を設ける。当地区では、到着を金曜日に、1日休憩して、日曜日にオリエンテーションと歓迎晩餐会(受入全ホスト家庭参加)を行い、第1週のホスト家庭に向かう。
帰国に際しては、地区全体の送別パーティを地区GSE委員会が主催している。あわせてデブリーフィングを行い、次回受入の参考にしている。
訪問クラブでのプレゼンテーションでの通訳の混乱を避けるため、事前にスピーチのドラフトを入手して各クラブに配布し、通 訳担当者の事前準備を促している。(固有名詞、数字等の通訳は事前準備がないと困難である)
当地区からの派遣チームには、全員からレポートの提出を得、「ホームステイで見た○○社会」という小冊子を作成し、地区内のロータリアン(5200人)全員に配布している。
1998〜1999年度は、カナダチームの報告書も併せて翻訳掲載した。報告書の作成にはコンピュータのDTPを利用、印刷も低コストに抑えている。また翻訳はボランティアにより、無料である。
カナダチーム受入の様子をビデオ撮影、編集し、PR用のビデオ(7分間)を制作し、そのコピーを地区内84クラブに配布した。これをロータリー財団月間のプログラムに利用したクラブもある。
1999年12月に当第2660地区のGSEのホームページを開設した。各年度の交換の派遣と受入の報告書が日本語と英語で掲載されている。また来訪チームへのアドバイスや資料提供も充実させて行く予定である。