マーヨ・エバースの感想

参加動機

労働に対する態度はオランダと日本で明らかに異なっていると思います。オランダではフルタイム労働の出来ない人を扱った法律がいくつかあります。この問題に、それぞれの国がそれぞれの方法で対処していることを私はまた、知っています。昨年、私はイタリーへ行き、イタリア人、フランス人と話しました。彼らのシステムは我々のと違うと聞きました。おそらく日本では、また別の独自のシステム、法律、労働一般に対する態度があるのでしょう。

オランダでは、勤労社会の一員であることは個人のステイタスにとって重要と考えられ、勤労社会外での社会生活もまた、関連が有ると見なされています。しかし、日本はハードワークをする被雇用者の国、それ自身の「労働文化」を持つ国として知られています。この文脈から、私は西洋と東洋の文化が混合した日本社会が労働障害を持つ人をどう扱っているか、学びかつ知りたいと思いました。能力を失った人々を労働力に再統合するアプローチも違うかもしれません。日本では例えば、RSI、過労障害すなわち燃え尽きのことが知られているでしょうか?労働ストレス、病気、身体障害者はどう扱われているのでしょう。

私は二つのチーム、リハビリセンターの脳障害チームと労働調査チームでで勤務していますので、日本の企業の背後にあるコンセプト、そしてリハビリセンターのコンセプトや療法についての洞察を得たいと思いました。オランダのコンセプトを見直す新しい観点を見つけたり、我々のクライアントに提供するサービスについて、別のよりよいオプションを発見することを望みました。

プログラム

日本滞在中、私は職業研修日に兵庫のリハビリテーションセンターを訪問しました。それは大変素敵な近代的ビルディングで、そこでの仕事は、エンシェーデの「ヘト・レーシング」のセンターと多くの類似点がありました。私が働いている「労働調査」のようなユニットもありました。主な違いは、ここでは人を訓練しますが、そのあとはクライアントを適切な仕事に導く施設が少ないことです。これには二つの理由があります。先ず第一に、日本政府は労働障害を持った人の再統合を財政的にサポートしていません。第二に、雇用者にとって障害のある人を雇うことは金銭上、魅力的でありません。このことから労働ハンディキャップを持った人が適切な仕事を見つけることを大変困難にしています。

職業研修日に、私は数人の医師、物理療法士と話しました。私は彼らに、むち打ち症候群や過労障害のような病気について知っているかどうか訊ねました。オランダでは多くの人がこれらの病気で苦しみ、「労働障害者」として認定されています。日本でもまた、これらの病気は知られています。日本では保険会社から給付を受けるには、労働災害の結果としての負傷、もしくは逸脱を証明することが必要です。日本とオランダのもう一つの違いは、被雇用者の企業への忠誠心、他方では雇用者の被雇用者にたいする態度です。日本では、変わりつつはありますが、終身雇用が普通です。終身雇用は、被雇用者が労働災害にあえば、会社が被雇用者のために適当な仕事を見つけようと努力することを意味します。被雇用者は解雇されません。オランダでは、雇用者は適切な仕事を探す義務がありますが、それが不可能なら、二年経てば被雇用者を解雇することが許されます。おそらく、日本の雇用者にとっって、適切な仕事を見つけることが、容易なせいもあるでしょう。企業内に「軽労働」が多くあるからです。そのような軽労働の最も驚くべき一例は、制服を着た人間が、会社の入口やスーパーマーケットの駐車場へ、旗や棒を振って案内していることです。オランダには、このような仕事はありません。

私は、労働コンサルタントとして、クライアントのための作業所を分析し訪問します。私は作業姿勢を検討し、人間工学的なアドバイスをします。私がいくつかの企業を訪問した経験では、日本では人間工学が問題とされていないようです。悪い労働環境で働いている人を見かけました。例えば、非常に暑い環境で、一日中膝をついて座り、昼光がなく、コンピュータースクリーンがコーナーにあるなどです。それは身体を回転させた姿勢で作業を継続することを意味します。被雇用者に、作業条件を規制する法律はあるか聞いてみました。彼らの話では、作業条件に関し会社に規則に従うよう義務づける法律はないし、雇用者は作業環境についての不満を有り難がらないと語りました。被雇用者の忠誠心と終身雇用制が悪い作業条件についての苦情を言わせないのではないかと思いました。将来、雇用者と被雇用者の関係は変わり、雇用者は作業環境にもっと注意を払わねばならなくなると想像することができます。

オランダでは、フルタイム契約の場合、週36〜40時間働きます。もちろん、もっと働く人もありますが、多くの人はパートタイムで例えば週20時間働いています。オランダ人に比べ、日本人は一般 的に言って長時間働いています。私のホスト家庭の主人は朝早く家を出て、帰宅は夜7時もしくは8時です。ホスト家庭の息子達は午後11時までも働いていました。

概して、日本で働くと言うことは、プライベートな時間が少ないことを意味します。時間があれば日本人はスポーツを観戦することを好みます。日本のナンバーワンスポーツは野球です。毎晩、野球の試合をテレビで見ることが出来ます。幸運にも私は、ホスト家庭の一人、櫛田さんに連れられて大阪ドームで野球試合を見ました。それは屋根付きの立派な野球スタジアムで、特殊照明により影がありませんでした。スタジアムの雰囲気は印象的で、私は大いに楽しみました。フアンはあらゆる種類の儀式を行います。特別な歌、ダンス、ラッキーセブンもあります。これは、全てのフアンがピンクの風船を空に放つことを意味します。見て面白かった。

チーム全体としてのハイライトは、大阪での相撲見物でした。相撲を見に行くのは日本ではありふれたことだと思っていましたが、そうではありませんでした。ホスト家庭のうち、一家庭だけが一度、見に行ったことがあるだけでした。毎年、3月に大阪で相撲トーナメントがあります。相撲に間に合うように大阪に来れたのはラッキーでした。スタジアムに入り、雰囲気を味わえたのは素晴らしいことでした。それはユニークな経験であり、我々はそれを大変楽しみました。座るスペースに少し問題がありました約1.5平方メートルを4人で分け合わねばなりませんでした。平均身長1.75メートルの我々には楽なことではありませんでしたが、少し「運動」したのち何とか座れました。

私はまた、ホスト家庭の益田夫人とエアロビクスのクラスに行きました。日本人と一緒にスポーツし、彼らがスポーツするやり方を経験したのは、個人的なハイライトでした。彼らは私より、たやすく優雅に動くことを経験しました。もちろん、それは彼らの体型、背の高さに関係があります。私は身長1.80メートルですから、ホールの一番後ろにいたことを理解いただけるでしょう。エアロビクスクラスは、オランダと殆ど同じでビックリしました。動きも、ステップも。

結論

上に述べたイベントのおかげで、他のチームメンバー共々、良い時間を過ごさせて頂きました。親切な日本の人たち、ホスト家庭の大きなホスピタリティがこのGSE旅行をユニークな体験にしてくれました。誰も、何事も、この体験を我々から奪えません。