英国D1050地区訪問帰国報告

太呉まどか

枚方ロ−タリ−クラブ推薦、関西記念病院勤務


先ず初めに国際ロ−タリ−D2660の皆様に

今回私をGSEプログラムに参加させて頂き、本当にどうも有り難うございました。“職業研修員募集”の小さな新聞記事を偶然見つけて応募し幸運にもイギリス行が決まった時の信じられない気持、喜びと不安がいっぺんに押し寄せてきた時の感動は今でも鮮明に蘇ってきます。井上ガバナ−や野村委員長を始め私達のGSEプログラム成功の為に御尽力頂いたスポンサ−クラブのロ−タリアンの方々、サポ−ト業務に関わって頂いた事務方の諸兄姉にも、あらためて深くお礼を申し上げます。     

Home stay における経験・反省及び印象

七軒もの種々なタイプの家庭の日常生活を通して、イギリス人の暮しぶりが垣間見られ、様々な体験や発見ができました。英語を旨く話せない私に対してゆっくり判り易く話して下さり、大変ありがたかったです。

沢山のホストファミリ−の方々にも出会えてよかったのですが、やっと耳慣れた頃にステイ先を変わらなければならず少し残念でした。もう少し家族と食事や会話する時間が持てればよかったと思います。日常生活の中で知った事や感じた事がいくつかありましたので以下に列記します。

*イギリス人の中には、東京は知っていても大阪を知らない人もいてびっくりしました。やはり遠い国だからでしょうか....
* 雨が多いせいか洗濯物を外に干す習慣がない家庭もあり、少々カルチャーショックを受けました。街に洗濯屋さんが存在しないことも不思議でした。
* イギリスの天候は雨が多く寒いと伺っていましたが、私達の滞在中は常に天候に恵まれ、九月のイギリスは長袖ブラウス一枚で過ごせる程でした。
* 日本よりもずっと北の緯度に位置するので、まさか冬にも雪が滅多に降らないとは思いもよりませんでした。矢張り周辺の暖海流の影響の様です。
* とても自然が雄大で丘は沢山ありますが1,000mを超す山がほとんど無いので稀に雪が降ってもイングランドではスキーは出来ぬとは驚きでした。
* 食器洗滌器・洗濯機・乾燥機の類はすべての家庭にありましたがトイレにウォシュレットは全く普及しておらず、私には実に不思議でした。
* 日本製の電化製品や乗用車をイギリスでこんなに多くよく見かけるとは、こちらに来るまでは思ってもみませんでした。
* お年寄りや障害を持った方が積極的に外に出かけていてとてもよい事だと思いましたし、日本よりも遙かにバリアフリ−が進んでいると思いました。古い住宅建物や時代物の家具装飾品をとても大事にする国だと思いました。英国では専ら紅茶ばかりが好まれているかと思いきや、どこでもコ−ヒ−が飲まれていて意外でした。
* 朝食はシリアルが主流ですが、昼・夜は馬鈴薯を食する事が多く、同時にグリルド、フライド、ボイルド、マッシュドの全ポテト料理が一斉に出てきた時は思わず目を丸くしました。この国では馬鈴薯は主食の役割をしている様に思われます。
* 肉料理はラム、チキン、ビ−フ、ポ−クが主流で、季節によって七面鳥や雉料理も楽しめます。ビ−フはBSE問題がクロ−ズアップされた頃と違い、今は特に気にされていないとの事。チキンは食材としてはよく使用されるものの、鶏卵を食べる習慣はほとんどなく、ましてや生卵を食べる事は全くありません。なぜならば卵殻に付着している可能性があるサルモネラ菌が卵を割る時に食材中に入るのを危惧しているからだそうです。
* 小学校訪問:
又ホストファミリ−のお子さん達の小学校を訪問して日本の事を紹介したり、折り紙を教えてあげたりした事も、とてもよい思い出になっています。

反省点    

もっと英語が話せたら..と思う事が多々あったので、渡英前にもっと話す力をつけるべきでした。言いたい事が的確に相手に伝えられないもどかしさを何度も経験しました。やはり言葉は人と人をつなぐ大切なツールだという事を実感しました。

一般研修や観光行事での観察及び印象

* Dunham Park & Gardens  
National Trustによって維持された緑豊かなとても広い公園と建物が印象的でした。民間非営利団体によって、イギリスの歴史的建造物や自然を後世に残そうという動きは素晴らしいと思います。会員は260万人を超すそうで、自国の風土を愛して止まない人がいかに多いかよくわかります。この国へ来て最初に訪れた場所なのでよく覚えています。

* Manchester市内観光
電車にて移動。車での移動が多い旅程の中で新鮮でした。ロ−タリアンの方の詳細で熱心なガイドで市役所、図書館、教会など古く歴史ある場所を案内して貰ましたがた大変分かり易く有り難かった一日でした。

* Chatsworth House
広大な敷地内に芝生のとてもきれいな公園とまるでお城の様な建物。建物の中には高価な品物ばかりで、沢山の絵画や家具・装飾品がありました。敷地内のこれらのすべてが某貴族家の私有物であると伺い大変驚きました。日本語のガイドテ−プに従って見学ができて極めて理解しやすかったです。

* Ryme Park
同じくNational Trustで管理保護された場所で、雄大な自然には圧倒されました。天候にも恵まれ、ちょっとしたハイキングになりました。小高い所から眺める景色は最高でManchesterの街と緑が一望できました。とてもカメラのフレ−ムに収められるスケ−ルではなくて全身で大自然を満喫しました。羊達がすぐ傍に来て、可愛いやら少し怖いやら・・・


*WEDGEWOOD POTTERY:

陶器が出来上がる迄の各工程が見学でき細かい絵付け等は全て職人達の手作業なのですっかり見入ってしまいました。 これだけ手間暇かかっていれば、お値段が少々高くても仕方がないと納得しました。おみやげに陶製食器を買おうと売店に行くと、日本人のツア−団体が一杯でまるで繁華商店街にいるかの様でした。

職業研修での経験及び収穫事項

*TRAFFORD GENERAL HOSPITAL
栄養士の仕事の内容説明・病棟見学・患者さんのベッドサイド指導の見学。職業研修初日で団長も同行して下さいましたが、若者達の話す英語は速くて聞き取り難く、最初はかなり不安になりました。

まず病院の規模の大きさには驚かされました。(ベッド数1,000床) 英国の公共医療はNHS(ナショナルヘルスサ−ビス)という公的機関に属し、大半の病院はPublic経営で医療費・入院費は税金で賄われており無料です。私的経営体の病院は少なくて医療費もかなり高額ですが、迅速に患者の病態に対処して貰えるメリットがありますので、主に高額所得者に利用されます。

栄養士の業務は専門的に分かれています。(例:糖尿病・高血圧症・小児科・チュ−ブ等)各分野の栄養士が専門的な知識をもって、医師・看護師を含むチ−ムで医療を行っており、栄養士も同じカルテを共有できるので、とても効率的です。日本ではチ−ム医療はまだまだ稀で、大変羨ましく思いました。

* STOCKPORT PRIMARY CARE TRUST
Food & Health Programmers Managerに同行して “Stockport Healthy Living Scheme”という会議に同席致しました。この職業は日本には存在していなくて、私は衝撃的且つ極めて魅力的な職業であると思いました。 英国では栄養士のフィ−ルドは病院での対象は患者さんですが、Food & Health Programmersは,病気を未然に防ぎ健康な食生活を送って貰える様に、周辺社会の人々に向けてヘルス プロモーションする職業です。

会議は栄養士・看護師・運動療法士・心理療法士・教師等々あらゆる職業の方々が夫れぞれの専門分野の角度から「ストックポ−トの市民がいかに健康に暮らせるか」を長期10年計画で考える素晴らしいプランの討論会でした。もしも、人々が正しい食生活・適度な運動・禁煙など実行し続けられたなら、すべての人々が健康を手に入れられる筈だという訳です。 会議には学校の先生方も出席されていたので、学校でも子供の食育が積極的になされている模様です。イギリスでは子供達の間での成人病の増加が大きな問題のひとつです。また子供向けにヘルス プロモ−ションする為に、野菜や果物の摂取を呼びかけるイラストが書かれたシ−ルやカ−ド等を配る事もあるとの事。しかし多数の若者達がファストフ−ドで確実に舌が慣らされつつある最近の日本でも、これは決して他人事ではありません。日本でも脂肪・カロリ−・塩分の摂取しすぎに因って惹き起こされる病気が年々増加傾向にあるのが極めて危惧すべき現状なのです。STOCKPORTの取組みは大いに我々が見習うべき姿勢といえます。

*TAMESAIDE GENERAL HOSPITAL
糖尿病外来病棟で個別栄養指導見学。 患者はまず栄養士に栄養指導を受けます。検査結果を参照しながら食生活を中心に聞き取りアドバイスを受けます。時にはリ−フレットを渡して説明を行い、体重測定をする事もあり家族同伴の方も見受けました。次に看護師により指導を受け採血検尿があります。必要な場合は更に医師に診て貰うと言う様に指導が効率的な一連の流れになっていました。
TAMESIDE HOSPITALの糖尿病棟で         

*LEIGHTON GENERAL HOSPITAL
ベッド数700床2,000人を超す医師・看護師・PT・保守管理職員等従業員の中に、17名もの栄養士がいる内で種々な専門の方々に同伴させて頂きました。栄養指導の実地を見学。(糖尿病・高血圧・老人棟・チュ−ブ・小児科等) 更に厨房も見学しました。明るくてかなり広い規模ですが、構造や機器は日本の病院設備とあまり変わりません。選択メニュ−制が導入されていて昼食時に当日の夕食メニュ−の選択カ−ドが添えられ下膳の時に回収される理想的なシステムでした。
LEIGHTON HOSPITALの厨房の一部                                           
同様に夕食には翌日の昼食メニュ−カ−ドが添えられます。日本では固定メニュ−が当然とされている事に慣れていた私は相当な衝撃を受けました。入院中は食事を最も楽しみにされている患者さんが多いので、その日の気分・体調で食事メニュ−を選ぶ事が出来れば、どんなにか嬉しい事かと思います。                        
 
チュ−ブ(経消化管栄養剤)専門の栄養士にも同行して院外老人ホーム訪問。このホ−ムには常勤の栄養士はいないので、週に一度は患者さんの様子を見に行きます。栄養士が栄養剤の中身・流入速度を決めています。まず、看護師に患者さんの健康状態を聞いた後ベッドサイドに行き、腸管のチュ−ブ差込口にトラブルが無いかを入念にチェックします。時には栄養士自らがチュ−ブの交換もする事が出来るので、日本での医療周辺での介護介助行為に対する規制だらけの状況と較べて大変驚き感銘を受けました。

付属のクリニックにて施設見学。常勤栄養士はいませんが病院本体から定期的に訪問。規模が小さい為か、スタッフの誰もがお互いに顔見知りでアットホ−ムな印象。リハビリの為にプ−ル・リハビリ室・キッチンがあり、きれいに完備されていて病院とは思えない感じでした。ホスピタルの語源はホテルであると聞いた事がありますがまさにそういった雰囲気のクリニックでした。食事はワゴンで運ばれて温かい食事が病室その場でサ−ブされて、患者さんにとっては全く理想的な環境と思いました。
LEIGHTON HOSPITAL 付属クリニック

地区大会への参加経験と振り返り

約700人ものロ−タリアン夫妻が御同伴で二泊三日の日程でSOUTHPORTでの大会に楽しく集いました。その規模の大きさには驚き且つ圧倒されました。私達はスピ−チとプレゼンテ−ションとして鬼退治と豆撒きのパ−フォマンスを披露しました。鬼退治の場面で音楽と振付けが旨く合わず、舞台上でしばし無音でフリ−ズしてしまう御愛敬もありましたが、何とか無事に終えホッとしました。福豆を客席に撒いたのがよかったのか観客受けは悪くなかった様で少し救われました。私には後にも先にも無いと思える貴重な舞台経験です。

本題の表彰や講演の他に、前夜祭の食事会から始まり夜はダンスパ−ティ−にジャズ演奏にと大いに盛り上がりました。ロ−タリアンの方々が年に一度の地区大会を楽しみにしている理由のひとつがわかった気がします。 Northwich Vale Royalの方達と一緒にダンスを楽しんだ事もとてもよい想い出になっています。その時に演奏されていたABBAの曲を好きになったのもこの時からで日本に戻ってからもABBAを聞く度にイギリスでお世話になった方々や滞在中の出来事、風景等が目の前に懐かしく思い出されます。

来日予定のGSE TEAM受入で私達が協力できそうな事は? 

イギリスチ−ムの観光日に私の休日が合えば御一緒したいと考えています。ビルが立ち並ぶ大阪だけでなく、京都や奈良の古都の美しさなど、様々な面の日本を知って貰いたいと思います。休息日はしっかり体を休めてもらう方がよいとも思われますが、もし休息日に外出の要望があれば一緒にショッピングや食事に出掛けたいとも思います。移動手段は車になりがちですが、電車やバスに乗る機会が多い程日本での日常生活を味わえるのでお勧めしたいのです。また、イギリス人にとって日本食はほとんど馴染みがありませんので、様々な日本食に是非トライして貰い、彼らがどこまで日本食を好きになってくれるかを見せて貰うのも楽しみの一つです。

今後の日本からのGSE参加者への先輩としてアドバイス

私達がイギリスに旅立つ前或るOBの方が「1分1秒を大切に!」と声を掛けて下さいました。全くその通りで海外での非日常的な生活が連続する訳ですから、可能な限りあらゆる事にチャレンジして積極的に体験・経験すべきだと思います。出発するまでにメンバ−全員で訪問先でのプレゼンテ−ションを何度も念入りに考え練習を重ね密接に連絡を取り合う事はとても大切な事ではないでしょうか。
Rtn. Glenn Millar宅でリハ−サル

私達の場合は、出発するまでに団長と団員がプレゼンテ−ション作りの為に、英作文の推敲とパワ−ポイントでの映像製作で集まる機会を多く持てたので、インパクトのある大阪・日本について紹介できたのではないかと思っています。また、共同作業を進めるうちにメンバ−同志の深いコミュニケ−ションがとれ、申し分のないチ−ムワ−クの良さにつながりました。異国の地で最初は時差呆けもあり、外国語での生活環境の変化で体調を崩しやすいですが、健康に充分留意して貴方がたのプログラムを成功させて下さい。

終わりに

今回の研修旅行でマンチェスタ−方面で過ごした四週間は、私にとって大変有意義で密度の濃い物でした。私のこれからの永い人生において、そして栄養士としての天職を続ける上でも、随分視野が広がりすべての経験が心の糧になって行く様です。人と人との縁の繋がりの大切さや、人の心の豊かさとその温もりを日々感ぜずにはいられませんでした。イギリスで出会ったロ−タリ−の方々だけでなく、団長を始めメンバ−諸兄姉にもいつも助けて頂いてばかりで、今は唯感謝の気持で一杯になって居ります。やはり本当に大切なもの−意気と誠と愛−は目には見えないのかも知れませんが、確実にそこにありました。皆様、本当に有り難う御座居ました。
マンチェスタ−空港でのお見送り


ROTARY INTERNATIONAL THE 1050th DISTRICT
HOST FAMILIES (Name・ E-mail・Address) of Madoka Daigo

Chris & Pam Boyes
chris@insurer.com
Gordon & Gill Parkin
gordon.parkin@gp-p88007.nhs.uk
Murtaza & Dorothy Husaini
MURTAZAHUSAINI@msn.com
2 Sharon Avenue, OL4 4HP
David & Jean Hurlston
d.hurlston@btinternet.com
24 Taunton Lawns , OL7 9EL
Simon & Marcia Yates
Syates3880@aol.com
Brett & Gerdi
brettandgerdi@diener.freeserve.co.uk
Jerry & Diana Park
Park50@hotmail.com
Lane End Cottage, Audlem Road, Nantwich Cheshire CWS 7QJ