RI会長は夫々の地区がテーマを持つ事を望まれていないと云うことですが、テーマを持った方が リーダーシップ を発揮しやすいのなら、それも“あなたの手の中に”と云うことでした。
従って、私は「ロータリーの未来はあなたの手の中に」あるのだから、各自がしっかりとロータリーの中核をなす価値観を身に付けなさい、と受け取り、第2660地区のテーマを「ロータリーを身に付けよう」としました。
ロータリーの中核をなす価値観とは云うまでもなく、「奉仕」、「交友」、「誠実さ」、「高潔さ」、「多様性」、「寛容」、「リーダーシップ」であります。
前年度、横山ガバナーは現在多くのクラブが抱えている問題の3K「高コスト、高齢化、硬直化」への対策を考えて、変革できるものは 変革する勇気を持とうと、「Change」を強く訴えられました。それと共に「職業倫理を高く保つこと」 と 「広報活動」 を地区の長期計画となさいました。
次年度も内容は全く同じですが、問題の
negativeな意味をもつ言葉の3Kではなく、
positive な意味の6つのKを考えました。
・第一のKは「交友」です。交友関係を深め広める。(Development of acquaintance)という綱領の第一項目を 特に意識し、よき友を作るために努力すると云う事です。「交友」は20世紀初頭の、砂漠のような世相の中で、ポール・ハリスが求めたものでした。即ち、交友(友情)は ロータリーが創設された理由そのものであり、Rolling Twenty の大恐慌をも乗り越えて 成長を続けてきたロータリー創設期と同様に、今日の世界的な不況下に於いても 当時と変る事なく 重要な意義を持ち続けています。楽しく遊ぶだけの友達ではなく、自分が困ったときにこそ、心から頼りにして相談できるような友達が、自分のクラブに居るだろうかと吟味してみて下さい。自分が苦境に直面したとき、退会してゆくロータリーではなく、励ましあい、力になってくれる友がいるので、退会したくないロータリー。そういった意味での交友関係において魅力あるグループ作り、であります。
交友をエンジョイするために、常にクラブ例会や ロータリーの各行事を待ち望むロータリアンがいて、はじめて、ロータリーには明日があると言えるのです。「ロータリーの未来はあなたの手の中に」あるのです。
・第二のKは 「高潔さ」 の K です。
ロータリーが誕生した20世紀初頭は、「儲けのためなら手段を選ばず」といった利己主義者たちが、跳梁跋扈する社会でした。儲けのためなら少々のうそや誇張には目を瞑って、というのが世間の常識でした。そのような時代に、ロータリーの創始者達は、勇気と信念を持って敢然と職業倫理と取り組んだのです。サンディエゴでの元RI会長ラジェンドラ・サブーの講演は、力強いものでした。
倫理は古めかしいものではないのです。
(Ethics is not outdated.)、Outdate: 期限
切れはしていません。;高潔さと誠意は今も昔
も変らないのです。( Integrity and honesty
have not been redefined)redefined:
善いだの悪いだのと定義しなおされたことは
いまだかつてないのです。ロータリアンに求
められているリーダーとしての資質の中で最
も大切な資質なのです。「ロータリーの未来
はあなたの手の中に」あるのです。
・第三のKは「国際的な感覚」のKです。国際的な組織であるロータリーの国際的な活動に関心を持つことです。マザーテレサは云いました。「愛情の反対は憎悪ではなくて、無関心」なのです。いまや地球は小さくなり、未来を見据える時、国際的な感覚はあらゆる面で重要です。国際ロータリー財団の強調事項に関心を持ちましょう。「ロータリーの未来はあなたの手の中に」あるのですから。
・第4のKは「九牛一毛」です。
これは司馬遷が皇帝の逆鱗に触れ、誅殺されようとした時に、使用した言葉です。私など皇帝にとっては九牛の一毛ほどの小さなものですが、その一毛を大事に思う意識が大切なのですよ、と反語的に用いた言葉です。
自分は世界中のロータリアン120万人のうちの一人であるから、自分一人が頑張ったところで、ロータリーの評価には何の影響もないとは決して思わないで下さい。九牛一毛には、小さな一つを大切に思う心が重要だという意味がこめられているのですから。公共イメージのアップは先ずあなたからなのです
*世界には飢餓状態にある何千万という子供がいる。自分の目に留まった可哀そうな一人の子供を大海の一滴と思って軽んぜず、いと小さきものをいつくしむ心が大切です。
*小さな愛の行いが、多く集まれば、明るい社会を作るのです。あだに過ごすつかの間も、わが人生の一節なのです。$100出すロータリアンが百万人いれば1億ドルとなるのです。
九牛の一毛という言葉を頭に入れて、小さなことをも大切にしましょう。「ロータリーの未来はあなたの手の中に」あるのです。
・第五のKは「子供」のKです。子供は未来です。青少年奉仕は、その部門で働くロータリアンだけの問題ではありまあせん。子供は大人の背中をみています。子供は親や教師のいう通りにはなりません。子供は大人のする通りになっていくものです。子供は大切な未来という思いを持って青少年奉仕に力をいれると、まなざしに活力が宿ると思いますし、子供が大切だと思うなら、後からついて来る子供のことを思い、高潔な道を歩まなければなりません。未来に生きる子供がロータリーをどう思うか、「ロータリーの未来はあなたの手の中に」あるのです。
・最後のKは「綱領」のKです。綱領を自分のものとして身につける。そのために各クラブが全員で唱和するに適した夫々のクラブの目標を作って、それを第一例会に於いて、全員で唱和する。
これが今年度の具体的な目標です。
各クラブが、全員で唱和するのに適した夫々のクラブ目標を作って、第一例会に全員で唱和する。すでに第一例会で綱領を唱和しているクラブもあるようですが、私の提案理由は以下の6つです。
(1)新入会員の研修に役立ちます。
(2)使命は連帯感を持ちながら幾度も再確認することが大切です。
(3)現在の綱領の文章は多人数が一つ心になって唱和するのに適した文章とは云えません。
(4)手続き要覧には英語版が正文となるとあり、訳文は正確でないと主張する方もおられます。となると、唱和に心がこもらないでしょう。
(5)上命下服型でなく、自分たちの作ったもの
は より唱和に心がこもるでしょう。
(6)このために、全員が綱領を勉強することに
もなれば、 一石3鳥・4鳥です。
目指す文章とは あくまでも、これを唱和する事によって、より会員個人にロータリーが身につき、クラブに活力が出てくるような目標文です。
夫々のクラブの誇りを懸けて、全会員の英知を寄せ集めれば、夫々のクラブに適切な、夫々のクラブの特徴が滲み出た、しかも国際ロータリーの綱領を 内容的にも十分にカバーした、良い文章を作っていただけると思っています。クラブの目標文を月1回全員で唱和すれば、ロータリーがより身に付いて行くと考えている次第です。
「高齢化」が問題になると云うことは、言い換えればすでに長年にわたりロータリアンであり、ロータリーの中核をなす価値観を十分身に付けておられる方が多いということです。 しかし、「限りなき道ロータリー」でございます。 2009-2010年度が少しでもより「ロータリーが身に付く」年度となるべく、お互いに励まし合って歩めることを願っています。ご協力よろしくお願いします。
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