(米国ミズーリ州カークスビル)
ロータリーの第一標語である「超我の奉仕」は私た ちの利他的な性質をとらえてはいますが、先の2つ の質問に答えてくれるものではありません。そこで私 は、「ロータリアン以外の人々にロータリーの目的を 説明すること」と「ロータリアンにロータリーの原則 の重要性を再確認してもらうこと」、この2つの目標 を満たす簡潔なテーマを探す決心をいたしました。
ロータリーとは何か。ロータリー・クラブとは何をする団 体なのか。ロータリアンは、会員候補者やロータリーに 関心を持っている人々からこういった質問をよく受けま すが、簡潔に数分で、しかも効果的に答えるのは難しい ものです。
そして適切な言葉を探す上で、四大奉仕部門を再検 討していたところ、クラブ奉仕と職業奉仕はどちらも 人生を謳歌し、善き市民となるよう私たちを導いてく れるものであると気づいたのです。また、社会奉仕と 職業奉仕を合わせるなら、地元の地域社会をより住 みやすく、働きやすい場所にすることができるでしょ う。一方、国際奉仕は、国や大陸を異にする海外の クラブと協力し、世界理解、親善、平和を広め、世界 をより良い場所にするための機会を、私たちに与える ものです。
ロータリーが、ロータリー・クラブの連合体であると 同時に、奉仕の精神から成り立っていることを忘れ てはなりません。私たちは、「奉仕」「親睦」「多様 性」「高潔性」「リーダーシップ」というロータリーの 中核となる価値観を分かち合う必要があるのです。 ロータリーの真髄を表す多くの語句を検討した結 果、ロータリーの現在の使命を表し、私たちの業績 を強調するために、私たちが得意とすること、すなわ ち、次のテーマを最終的に選びました。
地域を育み、大陸をつなぐ
この簡潔な語句が、ロータリアンとしての私たちの存 在と私たちの活動を的確に言い表すものであると賛 同していただけることを願っております。ロータリー は世界でも比類のない優れた組織です。私たちは、 地元地域社会の精神とリソースを育んでいます。ま た、住みやすく働きやすい世界をつくるために、世界 中の人々の善意をつないで協力と支援を得ることに かけては、世界でも私たちの右に出る団体はないで しょう。エド・カドマン元会長の言葉どおり、「ロータ リーは、画一化ではなく、結束である」のです。ロー タリアンである私たちは、誠に恵まれています。
2010-11年度会長賞を検討するにあたっても、私は これと同じ哲学を用いました。私は四大奉仕の各部 門が等しく重要であるという考えに基づき、クラブが 四大部門のすべてにおける成果を確認することがで きるよう、質問形式による新しい表彰プログラムを設 けました。さらに、この表彰とは別に、年次会長賞を 何度も受賞し続けているクラブのチャレンジ精神に 応えるために、さらに上のレベルの特別賞も加えるこ とにいたしました。
私たちが親睦と奉仕のレベルアップを図り、1910年に 初のロータリー大会を開催した国際ロータリーを奉仕 の第二世紀に向けて前進させていく中で、この質問形 式を用いた新しい用紙がクラブと地区ガバナーの皆 さまに役立つものとなることを願っております。
レイ・クリンギンスミス 2010-11年度国際ロータリー会長